ヒーラーは皆殺しだ   闇と光の間で(1)





私はヒーラーは嫌いだ.
ヒーラーになりたいと嘯く奴も.
さも光をまとったふりをして,呑気に生きてる奴ら.
愛だ光だなどと,ぬかしやがって.
奴らは全員,口先だけのニセヒーラーなのだ.
他人を癒すだの,救うだの,偉そうに言いやがって.
余計なお世話だ.
嘘ばかり言いやがって.
この世に光など存在するものか.
この地で,肉体をもって実際に生きるということがどういうことなのかを,教えてやる.

お前ら,全員,皆殺しだ!!





私は闇の存在だ.
闇は私.
この世のパワーを握っているのは,私.
真に力のある者は私だ.

光と名乗る奴らが,いかなテクニックを持っていようとも,私にかなう訳がない.
生きるということ,それ自体にコミットメントし,生きていくことそのものに覚悟があるのは
闇である私の方だからだ.
この地にしっかり根ざし,この世のあらゆるものを見据えて,真に生きているのは,私の方だ.
食うもののために,地べたを這いずり回ったことのない奴ら.
この世の絶望も苦しみも知らない奴らに,本当に生きるということがどういうことなのかなど,分かるものか.
闇である者の方がよほどグラウンディングしているのは,まったくの笑止.
空を見て,天使だ妖精だと,馬鹿みたいに,呆けて生きてやがる.
目障りだ.

殺してしまえ.





去年の暮れ,ずっと待っていたFSP 3がやっと参加できる日程で開催された.
真実の自己に目覚めるためのワークショップだ.
自己を徹底解放すると意図しよう!と喜び勇んで参加した.

が,参加してみるとコミットメントに“ヒーラーになる”を掲げる人が多い.
コースはその要望に沿ってのアドヴァイスが多かった.
そのことに私は違和感を抱いた.
私はヒーラーになるという文脈でこのクラスに参加しているわけじゃない.

「ひじりさん〜,私,あのクラスになじめないんだよねー.どうしよー?」
「ららさん,らみつさん,ジョイさん,どう思う? 私が今あのクラスにいる意味がわからないよ.
つーか,何で今更あのクラスなの,私」

ドルフィンの親しい仲間に,しばし,電話口でもらした.

既に開業し,PLIを終えていた私には,傲慢にも,FSP 3がオママゴトに見えて仕方がなかったというのが
正直なところである.
そして私は,自分がヒーラーだとは思っていない・・・

心の奥にある何かが悶々と渦を巻き始めて,形を取りはじめている・・・

ヒーラーは嫌いだと,クラスのチェックインでも正直に公言してみた.
だが,ジャッジメントをする自分を止めることは出来ず,仕方なく,そうした自分を冷静に観察したりもした.

あのクラスに,私は目に見えない機関銃を手に参加していた.

その理由さえ自分で理解出来ずに.

私は結局,ヒーラーは嫌いだ,という気持ちに折り合いがつけられずに,今年はじめ,コースを修了した.





                                                  2008.4.17 ハル



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